「自分が心底驚いた事」男性陣編



管理人「って事でまず始めに自己紹介してからね」




管理人の指示に、物凄く不満げながらも、結局は渋々ながら言うとおりにする男性陣の方達。




青輝「蒼き星の娘シリーズで蒼麗の許婚の青輝だ」

蓮理「召喚は正しく行いましょう!で清奈の相手役の蓮理だよ。一応、冥界の皇子なんだ」

司「〜冥姫〜シリーズに出て来る神有 司だ。香奈の相手役で神有一族の次期当主」



管理人「よし!じゃあ、早速お題について述べて下さい。自分が心底驚いたことについて」



蓮理「そんなの勿論、初めて清奈と出会った時かなぁ。あの時は、人妻の
公爵夫人と快楽にふけってたから」

青輝「快楽にふけさせてたんだろ」

蓮理「あはははは、そうとも言うかな?なんか、一人で善がり狂ってくれてたし」

司「って、人の物に手を出すって……」

蓮理「仕方ないさ。だって、向こうから来るんだし。一応、「夫君に悪くないのでは?」って
聞いたけれど、それで引き下がるほどの小心者じゃないし――それに、断ると後が煩いからね」




特に、公爵夫人など身分も地位もあり、プライドも高そうな貴族の姫君の誘いは、下手な断り方をすると大変な事になる。
何せ、向こうは地位も身分も容姿も整い、魅惑的な肉体を持った女ざかりの自分の誘いを断るなどこれっぽっちも思って居ない。
そもそも、昔よりは格段に減ったが、それでも昔の様に一部の貴族達には結婚と恋愛は別という考え方が根付いており、旦那は旦那、
けれど別の男を愛人にするという風習がある。また、男の場合だとこの逆である。まあ、蓮理の場合は身分は皇子なので、その公爵夫人は
あわよくば蓮理の愛人の座に収まりたいと狙っていたのだろう。今、一番権力を持つ冥帝の皇子ならば、例え皇位継承者ではなくとも、愛人になれば
贅沢三昧の日々を送れる。それに加え、皇子である蓮理は、側室でも、妾でも自分が気に入れば何人でも持てる。
よって、まるで砂糖に群がる蟻の様に大勢の女性が蓮理に近づいてくるのだ。




蓮理「青輝もその点では一緒だろう?」


青輝「……まあな」



青輝は溜息をついた。

人妻だろうが、婚約者がいようが――青輝の美貌と、くっ付いてくる付属品に目をつけた女達は身分、年齢問わずに青輝と関係を持ちたがり、
それを足がかりに妻、または側室や妾の座に座ろうと企む。全ては、自分たちや一族の者達の繁栄と栄華を極める為に。そして、己の欲望を
満たす為に。そうして、女達は実に様々な手を使ってくる。ある者は権力を、ある者は自分の才を、ある者は自分の魅力を、挙句の果てには
体や夜伽の腕前で青輝を篭絡しようとする。とはいえ、そんな女性達に慣れ切っている青輝も適当にあしらい、時には逆に自分の虜に
させて色々と情報を握って潰す事が多いのだが。



つまり、返り討ち。



今まで多くの女性と関係した青輝を虜に出来た女性は今の所一人としていなかった。
寧ろ、逆に虜にさせられ、利用するだけ利用されて捨てられるだけ。
とはいえ、青輝も向こうが最初に利用しようとして近づいてくるのだから罪悪感などこれっぽっちも抱いて居ない。
自分の意志でそれを選んだのだから、その結果がどうなろうとそれは本人の責任であるというのが彼の意見である。

それに、青輝は自分の意志でそれを選択してきたものにはそれ相応の事をするが、周囲に強引に進められた事によって強引にそうさせられたり、
またそう決意させられた者には一切手を出さないという面もあったりする。



蓮理「変な所で律儀だよね。でも――よく蒼麗が怒らないね」

青輝「言ってないから」

司「そ、そうなんだ……」

蓮理「で、話はそれだけど――僕が公爵夫人とそういう事をしている時に突然召喚されたからね。召喚の光に包まれた時には驚いたよ。
まさか――腐っても皇子の僕を召喚できる人間がいるとは……て。で、実際召喚されてみると、そこに居たのが清奈だった」

青輝「陣を操りし神有一族の姫か」

蓮理「うん。神有家の姫だとはすぐに解ったよ。あの一族は、冥界の守護を受けているから縁が深いしね。とはいえ、炎の陣を描くつもりが、
間違えて召喚の陣を描いてしまった事による間違っての召喚――って知った時には、僕も絶句したけどね」

青輝「……ちょっと待て。聞きたいんだが、召喚された時、お楽しみ中だったんだな?」

蓮理「勿論」

青輝「……そのままの格好で召喚されたんだな」

蓮理「うん。服の前ははだけられて胸元は露出し、ズボンもベルトが外されていたけどね」


クスクスと笑う蓮理に、青輝は溜息をついた。


ついでに、そういう事をしていたのだから――きっと色気も垂れ流し状態だったのだろう――と。


因みに、青輝の予想通りにその時の蓮理は女性ならば誰もが体を開き吸い付くような妖艶なる色香を放っていた。





御陰で





蓮理「呆然とされたけどね。でも、それも数秒。最初の一言なんて「お帰りください」だったし」




その後、間違えた。炎の陣だったのに。ってか、今すぐ帰れぇぇぇぇぇ!!と大絶叫された。




蓮理「ま、勿論この僕が帰るつもりもなかったけどね。その後は、清奈が対する魔を消滅させてあげて、その代償としてじっくりと体を味あわせて貰ったけど」


司「あんた鬼だよっ!!」

青輝「血も涙も無いな。人の事は全く言えないが」

蓮理「ふふ。その後は色々あったけれど、後悔はしていないよ。あの時、帰っていればその後の楽しい事はなかったからね」


そして、清奈に初恋を覚える事も無かった。あの時の自分の直感には心から感謝する。



蓮理「と言う事で、僕の心底驚いた事に付いてはこれで終わり。じゃ、次青輝」


話を振られた青輝は突然の事に驚くが――ほどなくして口を開き始めた。


青輝「俺が驚いた事――それは勿論、蒼麗が家出した時か」



司「家出?!」



青輝「ああ。蒼麗はトラブルメイカーだから、何時も驚かされるが……あいつが家出をした時が一番驚いた。まだ7つになるかならないかのガキのくせに、
荷物を纏めてスタコラと黙って家を出て行ったんだ」



しかも、蒼麗はとある理由から両親達とは遠く離れて暮らしている為、連絡やら何やらが辿り着くまでのタイムロスがあり、
急いで駆けつけた時には既に蒼麗の姿は何処にも無かった。慌てて探したが、気配を隠す装飾品を持っていったらしく、中々見つからなかった。



青輝「そうして、ようやく見つけた時にはあいつの方は準備万端で」



猛反対する両親を説き伏せて一人暮らしを決行してしまったのである。



って、7歳のガキのくせにっ!!




青輝「その後は酷かった。蒼花は泣き喚くし、蒼師は引篭もる。蒼麗の両親も一度は認めたがすぐに気が変わって猛反対。他の幼馴染達や
その家族達もショックで其々壊れてたな」


その後、あの手この手を使って家に帰らせようと奮闘した。特に、蒼花などは酷かった。


まあ――結局は、今も家に戻らせる事が出来ていないのだが。




青輝「俺はそんな所か。で、司は」

司「え?お、俺?俺は………香奈が突然居なくなった事かな」


司は思い出す。
赤ん坊の頃から同じ敷地内に住んでいた従兄妹。将来の花嫁候補の一人であり、何時も一緒に居て何をするにも一緒だった大好きな存在。
だから、他にも花嫁候補は居たが、自分は大きくなったら香奈を娶るのだと幼心に決めていたりもした。



なのに――



司「香奈は居なくなった。香奈の両親が連れて引っ越していったんだ」



後に、それは香奈を守る為だと解った。
けれど、突然引っ越していき、それまで香奈と香奈の母を溺愛していた父や周囲の者達が、
掌を返した様に彼らを遠ざけ始めたのは幼子心にもショックであった。しかも、香奈は花嫁候補から外されてしまったのだ。
密かに会いに行こうとしてもすぐに気付かれて止められ、同じ学校に入学してからも常に周囲の目が合って必要以上に接触出来なかった。


司「でも、今は全部が丸く収まったからさ」


といっても、本当の所を言えばまだ幾つか問題はある。
しかし、香奈は両親と共に再び本家から受け入れられ、前とは違ってよく本家にも遊びに来るようになった。
それに――今では、香奈は自分の正式な花嫁候補となっている。



連理「まあね、今が良ければいいんだよ」

青輝「そうだな」



そして、疲れた喉を癒すべく、近くに置かれていたお茶を其々飲み干すのであった。


白樺「拍手して下さり、どうも有難うございましたvv」



―戻る―